2008年 02月 13日

Synchronizm

前回(1/19)の文芸漫談の日の話。
夕方5時頃、僕は公演会場の北沢タウンホールへ向かうべく、乗換駅の明大前のホームで電車を待っていた。
文芸漫談ではいつも、本題(今回はデュラスの『ラマン』)にはいる前に、あれこれ近況を話したりなんだりするわけだけれど、僕はホームに立ちつつ、本日の舞台で話すべき話題を思案して、こんなのはどうだろうと考えていたのは、「眠くなる風邪の話」である。

「眠くなる風邪の話」というのは、4月の文芸漫談で話したもので、近頃やたらと眠い、夜の9時には眠くなって寝て起きると必ず朝8時を過ぎている、どうも身体の調子がおかしい、と不審に思っていたら、作家の保坂和志氏に会う機会があり、その保坂氏が「知ってますか、今年の風邪はやたら眠くなるんです」と教えてくれて、ハタと膝を打った、と、こういう話なのだけれど、正月過ぎからまたやたらと眠いのは、やっぱりこの眠くなる風邪のせいなんだろう、僕の場合一年中眠くなる風邪をひいているらしい、と、まるでどうでもよい話をしようと思案しつつホームで電車を待っていたところ、右背後にすいと立つ人がある。「どうも」と声をかけてもくる。誰だろうと思って見れば、保坂和志氏なのであった。

保坂氏は下北沢で小田急に乗り換えるというので、じゃ下北まで一緒に、となって電車に乗った。電車ががたんと動いて、最近は調子はどうだろうと、挨拶がわりにきけば、保坂氏はいった。
「近頃また眠くなる風邪に罹ってね」
「あ、僕もだ」
「やはりそうなんだね」
「そうみたいだね」
保坂氏も一年中眠くなる風邪を引いているらしかった。下北沢の小田急線のホームで保坂氏とは別れた。
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by hokuizumi | 2008-02-13 21:09


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